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@菜の花の種まき

菜の花迷路を作ろう!南相馬市での種まき作業

本日のロックコープスの活動は、南相馬市の菜の花畑にて、菜の花の種をまく作業のお手伝いです。天気は快晴。10月とは思えない暑さの中、またたくさん汗をかいてきました!
東日本大震災以降、毎年この場所で、夏は花火大会、秋から春にかけては菜の花迷路の制作を行っている、福興花団さんの活動に参加しました。今日蒔いた菜の花の種は、年内に芽を出し、来年の春には、このあたり一面、満開の菜の花畑になるそうです。その中に迷路を作って、だれでも参加できる「菜の花迷路」として開放し、ゴールデンウィーク期間中だけで一万人以上が訪れるイベントスポットとなっているそうです。

作業開始!

作業自体はいたってシンプルです。30センチおきごとに、種をまき、上から土をかぶせるのみ。自分の左側を進んだ人の足跡を頼りに、まっすぐに、等間隔になるように菜の花を植えていきます。
この作業が、実際やってみると、とっても難しい!自分の足の幅を一定に保つこと自体が難しいことに気づかされます。できるだけまっすぐに進もうとするのですが、それに気を取られていると、今度は自分の進む歩幅が一定でなくなり、種を蒔く間隔も乱れてしまいます。
炎天下で、何度も腰を曲げてかがむ作業を繰り返しているうちに、頭はくらくらしてきて、さらに歩幅は乱れ。。。自分の汗が目に入って痛むし、立ち上がって休憩すると立ち眩み。。。農作業って大変だなーと、つくづく実感させられます。
福興花団:植野さん「実際には、機械で種を蒔いた方が早くて正確なので、ほとんどのエリアは機械で種をまきます。全部で11ヘクタールの広さになるので、すべては手では蒔ききれません。ですが、みんなで一緒に汗を流しながら種を蒔くことも大切だと思い、一部のエリアはこうやって人力で種を蒔いています。ボランティアの方々を巻き込んでやっていくのも、私たちの活動を様々な人に知ってもらうには、大切なことだと思っています」

コロナ渦では、菜の花迷路は開催されていたのでしょうか?

福興花団:植野さん「毎年やっておりました。コロナが流行り出した一番最初の年は、迷路だけ作って開放して、特に『イベント』としては開催しませんでしたが、それでもたくさんの来場者に来ていただきました。2013年から始めた活動ですが、毎年来場者は増え続けています」
実際に、本日ロックコープスのボランティアとして参加してくれた方の中にも、過去に菜の花迷路に挑戦した方もいらっしゃいました。かなり迷路が難しいらしく、「何回やってもゴールできんかった!」とのこと。
福興花団:植野さん「そうですね。子どもがいれば、だいたいゴールできると思います。子どもはあきらめないので。途中であきらめてしまうのは、大人のほうですよ(笑)。おじいちゃんとかおばあちゃんとか、スタートから出てきて、『無理だよ』といって帰っていく(笑)。それもそれで楽しいですよ。」「本当にみんなが、とにかく笑って、笑顔で。ここの空間にいらっしゃいます」

植野さんもヘトヘト

また必ず戻ってきます!

この菜の花迷路は南相馬市内の、海から1~2キロくらいのところにあり、畑からも海が見えるくらいの距離でした。東日本大震災の前は、この場所は住宅地で、たくさんの家があったそうです。今は見渡す限り建物はなく、畑になっており、人の姿はほとんどありません。
そんな場所で、菜の花迷路のような活動を行い、多くの人に『笑顔』になってもらうことが、福興花団さんたちが活動を続ける理由なんだろうな、と感じることができました。
今日、自分で種をまいたからには、来年の5月には必ず戻ってきて、自分の迷路に挑戦しよう!という気になります。そうやって、たくさんの人が、この場所に親しみを持って接してくれて、戻ってきて、笑顔になっていく。そうやって、たくさんの笑顔が集まる光景を、実際に見てみたいと思いました。

ここが一面の菜の花畑になる予定

最後に

今年のロックコープスの様々な活動に参加して、ブログ記事を書いてきましたが、今回が最後の入稿となりました。
今日の活動で菜の花の種を蒔いているときに、ふと、数週間前に渋谷で植栽をしたときに、シブハナの小島さんに教わったことを思い出しました。「種を蒔いたり苗を植えたりする時は、埋めたあとに「タッピング」をして、土をしっかり上から押して、土の中の空洞をなくしてください。そうすることによって、草の根が、そこを土の中として認識し、根を伸ばしていけるからです。」
また、作業を終えた後に「筋肉痛が心配だー」という参加者の声を聞いたときに、新ふくしまファームの農園の石橋さんが教えてくれたことも思い出しました。「筋肉痛を予防するには、作業した日の晩に、熱いシャワーを、患部に強めにあてること」
さらに、帰り道に寄った道の駅で、野菜や果物を買い込んで帰ったのですが、その時も、石橋さんに教えていただいた、「新鮮なナスの見分け方」「梨の食べごろシーズン」などの知識が、活かされました。
気が付けば、今年のロックコープスの活動、8つに参加した私は、これまで日本で開催されたロックコープスすべてに参加したのと同じ、すなわち、「ロックコープスマスター」になっていたのです!(勝手に)
そして、晴れてロックコープスマスターとなった今、ロックコープスに参加されるNPOリーダーの方々や、CEOのスティーブンの言葉が身に染みて理解できます。
ロックコープスのスローガンでもある「Give, Get Given」とは、こういうことなのか、と。
福興花団の植野さんがおっしゃっていたように「機械で種を蒔けば、その方が簡単なんですが、やはり、自分たちが苦労して、やらないといけない」ということ。そうすることによって、自分の体に「ボランティア活動をする」という筋肉が鍛えられます(太ももの筋肉とともに)。スティーブンは、それを「社会奉仕するための筋肉(Civic Muscle)」という言葉で言い表しています。そして、一度自分の体の中にその筋肉が生まれれば、その後はまた、同じ場所に戻ってきて地域活動に参加することが、簡単にできるようになるのです。復興支援センターMIRAIの押田さんの言葉を借りると「こんなに簡単に、人の役に立てるんだ。という実感につながる。それが、ロックコープスが実現したことです」自分が、汗水流して、いささか筋肉痛にもなりながら作業したおかげで(Giveの部分)、自分の体の中に、人の役に立つための新しい筋肉が生まれる(Get Givenの部分)。ロックコープスのGet Givenって、ライブに行けるよってこと(だけ)じゃ、なかったんだー!と勝手に解釈することができました。
それが、ロックコープスのボランティア参加者のほとんどが、何度も参加してくれている「リピーター」である所以なのです。ロックコープスの「コープス」は英語で「軍団」という意味ですが、ロックコープスの参加者は、みんな、「Civic Muscle(社会奉仕筋)」をムッキムキに鍛え上げた、最強軍団だったのです。

これまで取材に協力していただいた、NPOの皆様、そして、作業中に手を止めて、取材にご協力いただいたボランティア参加者の皆様、本当にありがとうございました。
また来年もお会いしましょう!