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@相馬市がれき除去

2022年の震災の爪痕が残る相馬市で、がれき除去のお手伝い!

本日は、福島県の相馬市です。「復興支援センターMIARI」さんを中心とする4団体から構成された「たすけっと相馬」さんの活動をお手伝いします。
今年(令和4年)におこった大震災によって、家屋が倒壊したり、屋根が破損して住めなくなってしまった住居のがれきを除去する作業です。

20人以上の参加者がいましたが、2つのグループに分かれて、市内の2件のお宅のがれき除去に向かいます。
家に到着すると、家の持ち主の指示のもと、まずは家の中のものを外に出す作業。出したら、それを分解し、木材や金物などに細かく分別して、ごみ処理場に持っていける状態にします。細かいものは、ひとつひとつ持ち主に確認をとって、処分するか、仕分けして保管するか、分別していきます。家の中は、地震の当日、箪笥や本棚が倒れたままの状態で、中にあったものが床に散乱したままの状態です。屋根が壊れているので、雨漏りが激しく、天井が剥がれ落ち、物も床も水浸しで、すべてカビが生えて腐敗した状態です。

参加者のお一人「いままで参加したロックコープスとは少し違いますね。今までは、花を植えたり、何かをキレイにしたり。わりとSDGs(持続可能な開発目標)なことをやっていましたが、今回の解体は、またそれとは違う雰囲気でした」
確かに、家の持ち主の目の前で、家財道具を壊し、処分していく作業は、なんとも切ない気持ちになります。

たすけっと相馬:獺庭さん「福島県で地震というと、2011年の東日本大震災が思い出されますが、地震自体による被害でいうと、相馬市では、今年3月の福島県沖地震の方が被害は大きかったです。ただ、被害が局地的だったために、そこまで大きくは報道されませんでしたし、福島県内でもそこまで周知されていません。そういった理由で行政の手が届かず、また、コロナ渦でもあり、相馬市外からのボランティアを募集できない状況もありました。なので震災から半年たった現在も、元住んでいた家に帰れていない住民の方々がたくさんおられます。」
実際に市内を歩いても、倒壊したまま放置されているお宅が、たくさん見受けられました。

復興支援センターMIRAI 所長:押田さん「地震があって、屋根が壊れると、雨漏りしてしまいます。お年寄りが一人で住んでいたような家だと、どうすることもできなくなって、避難します。そうなると雨漏りが続いて、家はもう住めなくなって、壊すしかなくなる。家を壊すためには、家財道具は、持ち主が先に処分しないといけないのですが、お年寄り一人ではどうしようもない。業者を呼ぶのも大変なお金がかかる。市外からのボランティアも積極的に募ることができない状況で、そうやって途方に暮れているお宅がほとんどです。『助けてください、手伝ってください』と手を上げられたお宅から、ひとつひとつ対応している状況です。震災から半年で、150件以上のお宅のがれきを撤去することができましたが、まだまだ手もあげられていないお宅が、たくさんあると思います。」

時間いっぱい作業して、長田さん宅はほぼ片付けが終了しましたが、佐藤さん宅は、まだまだ家の中に物が残っている状態でした。今年のロックコープスは相馬市での開催は2回で、両日とも佐藤さん宅で作業させていただきましたが、それでも作業は終わっていません。
佐藤さんと息子さんは、作業が終わったあと、「親子二人ではとうていできないような作業を手伝っていただき、本当にありがとうございました。」と感謝の言葉を残してくださいました。しかし、この後、まだ残っている家財道具と、外に出したごみの処分はどうするんだろう、という疑問と不安が残ります。

獺庭さんは、相馬市の市議会議員でもあるので、行政のサポートについてもお話をうかがいました。「家財を処分できる状態にしても、今度はこれをごみ処理場に運んで、処分する必要があります。ただ、災害ゴミの受付はもう終了してしまったので、それ以降に出たごみは、家庭ゴミとして、住人が負担して処分しなければなりません。災害ゴミの搬出はボランティアでもできるんですが、そうでない個人のお宅のごみをボランティアが搬出することは難しいんです。相馬市では7月まで、そもそもごみ処理場が地震で被災して停止していたので、相馬のごみを福島市やいわき市に運んで処理しないといけない状態でした。それが修理されて、また相馬市でごみを受け入れられるようになったので、相馬市のごみ処理業者もやっと仕事ができるようになったところです。その仕事をボランティアが取ってしまうこともできないんです。ごみ処理費用も、災害ゴミは国の補助金で90%は支払われるので大丈夫なんですが、そうでないごみは、補助金が出ないんです。そうなると市では、すぐに財政がパンクしてしまい、サポートしきれないんです。」
話を伺えば伺うほど、課題は山積なのだと思い知らされます。

この日のボランティアのあと、ロックコープスでは、ボランティア活動の開催期間を延長し、相馬市と南相馬市での活動を追加しました。そこでもう1日、佐藤さんのお宅でも作業をすることができるようになりました。
日本でのロックコープスは、東日本大震災後の福島のサポートをきっかけに始まったイベントです。ですが、今回の相馬市での活動のように、ごく最近起こった災害に対しても、サポートを必要としている人のもとに、サポートの手を届けることができる、とても大きな役割を担った企画なんだなと、改めて感じました。