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@蓮笑庵

古民家再生プロジェクトに参加してきました!

本日のボランティア活動は、福島県田村市にある蓮笑庵(れんしょうあん)でおこなわれました。蓮笑庵は、画家の渡辺俊明さんのアトリエだった場所をギャラリーとして開放し、また、隣接する古民家を再建築し、地域の人々が集まれるコミュニティスペースとして提供しています。過去2年間イベントがなかったため手つかずになり、草むらに埋もれていた古民家を、もう一度利用できる状態まで復活させる、というのが本日のプロジェクトになります。私も3年前に蓮笑庵を訪れていました。アトリエの方は変わらずきれいに整備されていましたが、古民家の方は、当時の面影はなく、入口に通じる道も草に覆われ、古民家自体も木々に埋もれて、埃とススまみれ、という状態になっていました。山の中にある家は、人の気配がなくなると一気に荒れていくものですね。作業開始前から「今日の作業は大変そう。。。」という空気が、参加者のなかで流れます。

本日のボランティアには、ロックコープスのCEOであるスティーブンと、ロックコープスも大変お世話になっている福島県の内堀知事、そして過去11年間ロックコープスを日本で支え続けてくれたJT(日本たばこ)の廣渡副社長も参加してくれました。そのせいもあって、地域のテレビ局や新聞社の取材陣もかけつけ、カメラが何台もある中での活動となりました。

活動開始!

古民家の中を掃除するチームと、外の草を刈るチームと、二つのチームに分かれて作業がスタートしました。
いざ、作業をスタートすると、ロックコープスの参加者さんは、作業が速い!今年のロックコープスは、実は参加者の募集を公開しておらず、過去にロックコープスに参加してくれた方々にのみお知らせを送って、参加者を募集していました。なので、参加者全員がロックコープスに何度も参加してくれているリピーターであり、蓮笑庵でも過去に活動を手伝ってくれた方々ばかりなのです。参加者全員が、「ここをこうすればいいのね。」「この道具はあっちにあるね。」と理解していて、ゴールが見えているので、細かい指示がなくても、スタートの合図があれば、どんどん作業を進めてくれます。すでに何度か蓮笑庵で一緒に活動したことのあるボランティアさんも多く、みんなお互い顔が知れているので、チームワークも抜群です。どんどん古民家からごみを運び出し、水バケツをリレーして、拭き掃除もどんどん進みます。
蓮笑庵の支配人でもある渡辺仁子さんも、その速さに圧倒されていました。「(蓮笑庵スタッフの)レイコさん、ごみ袋もってきてー!」「バケツ持ってきてー!」と参加者のサポートに追われます。「人数が多いと、すごいですねー」と驚きの歓声をあげられていました。

作業開始とともに、雨戸をとって、みんなで古民家に突入!

ロックコープスが開催されなかった過去3年間はどうでしたか?

普段は仁子さんご自身と、数人の女性スタッフのみで蓮笑庵を管理しているので、本館のアトリエは掃除するけれど、古民家の方はこの2年間、手つかずで、荒れていく一方だったそうです。そこはやはり、ロックコープスのボランティアのような「人のちから」「人数のちから」が必要になってきます。
「過去2年間は、イベントごとがなかったので。やはり人の手が入らないと、山は荒れていきますね。この作業は、人数がいないとできないですね。」「今年はすこしずつイベントも再開しているので、またきれいになった蓮笑庵に、皆さんに足を運んでいただければと思います。」

この草全部刈って、道を作ります!

作業を終えるころには、ボランティア参加者の皆さんも、仁子さんご自身も、体じゅうドロドロになってしまいましたが、ススに埋もれていた古民家が美しくよみがえり、入口に通じる道も、すっかりきれいになりました。
「蓮笑庵は、みんなの『ふるさと』になるように、これからも頑張っていきたいと思います。また実家に帰ってきたつもりで、いつでも遊びに来てください。」

福島県とロックコープスの関わり

また、今回のボランティアには福島県の内堀知事も参加されていたので、福島県がロックコープスをサポートし続ける理由に関しても、お話をうかがいました。
「過去2年間、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、人と人との関係が薄れて、また今年に入っても世界的な戦争のニュースなどで、人々の元気がなくなってきていました。そんな中、こうしてロックコープスを通じて、人と人が『再開する』、そして『再開の喜びを分かち合う』ことはとても重要だと感じます。今回の活動を通じて、『人びとが再開し』、蓮笑庵さんもまた『人の集まれる場所』になり、これからも多くの出会いが生まれる場所であって欲しいと思います。」
「震災から11年以上がたちましたが、まだ我々は復興の途上なんです。福島の復興は、今後10年、20年経たないと、本物の復興には至りません。実はちょうど昨日(2022年8月26日)、双葉町の役場が、初めて故郷に帰りました。震災・原発事故から11年たって、やっとスタートラインについたばかり。ここからやっと、復興の本番が始まるというところなんです。『福島』という場所が日本国内で、また世界でも、ネガティブなイメージで広がってしまっている中、そのイメージを『被災』というネガティブなものから『復興』というポジティブなものに変えていかなければいけない。ロックコープスは『音楽』という共通言語を通して、人々が集まり、出会いと再会を喜び、皆が元気を分け合い、良い気持ちになれる企画です。福島県が、人々の再開を祝う場所になれる、福島県にとってぴったりなプロジェクトなんです。ぜひ今後も継続していただきたいと思います。」
作業終了時、内堀知事が、参加者一人ひとりに、「ギャザリングでまたお会いしましょう」と声をかけられていたのが印象的でした。「福島で、また会いましょう」というメッセージを、今後も伝え続けることが大切なんだなと感じました。

内堀雅雄知事

作業終了

本日の作業は、午前中は雨が降っていたので、屋外での作業チームは、全身ずぶ濡れでしたー。全身ドロドロになりながらも、作業を終えた時の達成感は格別です!
蓮笑庵はまさに「みんなのふるさと」。今年のロックコープスのスローガンでもある「Reunion」「再開」の場として素晴らしい場所だと感じました。なのでなおさら、過去2年間、この場所で活動ができなかったことはとても残念に感じました。また来年以降もこの場所で、みんなの「Reunion」をお祝いできたら良いですね。
取材にご協力いただいた、蓮笑庵の渡辺仁子さんをはじめ、スタッフの皆様、ロックコープス参加者の皆様、関係者の皆様、内堀知事、どうもありがとうございました。