RockCorps suppoted by JT

  • RockCorpsJapan facebook
  • RockCorpsJapan Twitter
  • RockCorpsJapan Instagram

MENU

CLOSE

Interview

『本当だったら全く接点を持つこともなかった方たちとの出会いをいただいた』

≪オーガニックコットンで未来を拓け!いわきの畑再生プロジェクト≫

NPO法人ザ・ピープル 吉田恵美子理事長

Interview by Sam Nagasaka

<ザ・ピープルについて聞かせてください!>

私はいわき市に生まれて、ほぼ大学生活しか外で過ごしたことがない本当にローカルな人間なんです。ザ・ピープルも最初は地域の女性数名で立ち上げた小さなボランティアグループでした。身の回りの問題を自分たちの行動で一つ一つ解決していきましょう!と立ち上げてもう来年で30周年になります。
「住民主体のまちづくり」をミッションとし、最初は「古着を燃やさない社会を作りましょう」と古着のリサイクルから始めました。1年で古着が約260トンも集まるのですけど、それをみんなで仕分けしてリサイクルのルートに乗せていくというのが活動の基本でした。

<今は多岐に渡って活動されていますよね。>

東日本大震災の時に古着を救援物資として提供したことがきっかけで、被災者・避難者の支援を始めるようになりました。たくさんのボランティアの方々に来ていただくようになり、いわき市の災害ボランティアセンターの支部のような役割もしました。そこから外部とつながることの大事さを体感し、外からボランティアを受け入れながら地域の課題を解決するというカタチに力を入れるようになりました。

<外とつながる大事さとはどういうことですか?>

震災直後、災害ボランティアの方々にはガレキの片づけや床の泥除きといった現場に入っていただきました。地域の住民だけでは気持ちが非常に打ちひしがれている中、外からのボランティアに来てもらったことで元気づけられて、もう一度がんばろうって気持ちになっていく被災者の姿を見させていただいて、こんなに人って人の力によって変われるんだって思い知らされたのです。

<なぜオーガニックコットンを始めたのですか?>

今は、被災者・避難者の支援は一段落ついて、地域の農業者の方たちの支援をお願いしています。農業者の方々は、物理的な災害ダメージは無かったとしても、原発直後に生業が危うい状況に追い込まれる時期があったという点で、被災者なのだと考えています。そうした農業者の方々がもう一度立ち上がるためにという想いで有機コットンの栽培を始めました。
今の福島の農業の状況は当時と比べたら完全に安心して農作物を栽培できる状況になったのは間違いないのですが、それでも他から人が来てくださって、一緒に農家さんたちと汗を流しながら、福島に関心を持っていただける場があるってすごく大事だと思います。参加された方々が生活を振りかえり、これからの未来をみんなで考えていく機会になればと思いながら取り組んでいます。

<ザ・ピープルさんにとってRockCorpsとは?>

今回で6年目のお付き合いになりますが、復興支援センターMIRAIさんと出会ったのがきっかけでした。RockCorpsのボランティア募集だから行ってみようと思われた方には、若い方も多かったですし、福島の人でも私達のことを知らなかったという方もいて、そういう方々とご縁をいただけたことが本当に嬉しかったです。
本当だったら、全く接点を持つこともなかった方たちとの出会いをいただきました。スティーブンさんが来たときは本当にびっくりしましたね。こんな所までくるんだって(笑)。

<今年は福島でのセレブレーションとなりましたね。>

ホームカミング~故郷に帰ってくるって聞いて本当に嬉しくて、今回のセレブレーションが盛り上がって、また来年も福島でやろうとなったらいいなと思います。幕張メッセでのセレブレーションも懐かしい方々と再会できてとても良かったのですが、福島で開催されるということは福島の人間として本当に嬉しいことなんです。

<これからの福島に必要なことはなんだと思いますか?>

帰還困難区域は例外ですが、被災のダメージが大きかったエリアにおいてもモノだけのことを言えば復興していると言えます。でも、それで復興が終わったとは全然思えません。震災で何が壊れたかと言えばコミュニティーや人のつながりで、もう一度そこを持ち直していくにはすごい時間がかかると思います。
「元気な街には、元気な主張を続け、元気に行動する市民がいる」を私たちのモットーにしていますが、福島もそうであって欲しいし、大きな震災を経験したからこそ、そういう社会が福島で出来上がったねと言ってもらえるようになるのが本当に復興した姿なんじゃないかなと思います。

<RockCorpsのみんなへ伝えたいことは?>

畑に来てくださった、そして、思いを寄せてくださった全ての皆さまに感謝します。今まで私たちが歩みを止めずにここまで進んで来ることができたのは、毎年毎年、必ず来てくださるRockCorpsの皆さんの背中を押してくださる温かい手が、たくさんあったからだと思います。これからもプロジェクトが前に進んでいけるようご一緒できたら嬉しいです。

(NPO法人ザ・ピープルは一年中ボランティア活動をしています。関心がある方はぜひ公式サイトnpo-thepeople.comをご覧になってご連絡ください。)

←TOPへ戻る