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Interview

『いい思い出がいい大人をつくるから、そんな思い出を持ち帰れる場所へとしたい』

≪古民家再生!知力・体力をフル回転させて、素敵な家を作ろう!≫

NPO法人蓮笑庵くらしの学校 渡邉仁子 代表

Interview by Sam Nagasaka

<蓮笑庵くらしの学校について教えてください。>

蓮笑庵は民画家・渡辺俊明のアトリエです。NPO法人蓮笑庵くらしの学校は、東日本大震災後に物事を深く見つめ、何気ない暮らしの大切さを見直そうという思いで教育活動の場として立ち上げました。古民家改修ワークショップや暮らしを豊かにしてくれる文化活動を行っております。

<なぜ古民家の再生なのですか?>

今の時代に逆行したようなことを大事にしてみようというのが震災を通した私たちの反省でした。経済至上主義的というか、日本が「もっともっと」と目指す中でこうした大きな事故が起きてしまったのではないか、そういうところを考え直して、私達の知恵と人力でよりよい場を作っていこうというチャレンジでした。
この民家は地震では崩れなかったのですが、廃虚でゴミ屋敷になっていて、床も落ち、質素で特に建築的価値もなかったので、新しい小屋を建てた方が早いし安いよとみんなに反対されました。

<理解されない中のスタートだったのですね。>

この廃墟が再生されれば、福島の復興の一歩になるのではという気持ちで始めたところ、RockCorpsさんの応援をいただきました。皆さんには5年前から毎年来ていただいて、ゴミ出しという大変な作業から掃除や改修まで本当にお世話になりました。完全な廃墟状態からでしたが、おかげですごく進みが早くなり、想いの中にしかなかったものが可視化されるようになって、他の方々も幅広く参加しやすくなっていきました。

<RockCorpsがそうした人の流れを作ることができたのですね。>

はい、だんだん姿が整ってくると人が集まってきて、家屋を見てイメージが湧いたのか、色々なモノを寄付してくださる方々が出てきて、さらに多くの方が参加しやすいような姿になっていきました。RockCorpsの皆さんには感謝しかありません。

<再生された古民家はどのように活用されていますか?>

今は様々な音楽会や日本昔話を語る会など、屋内や野外で色々な形で活用されています。去年はオペラもやったりして、大衆演劇場みたいになってきています。
原発事故の避難者は農家の方が多くて、こちらに来られると、ほっとすると言ってくださいます。また、そういう方々に使っていただくとそれが素敵な風景となるんです。いい思い出がいい大人をつくるから、そんな思い出を持ち帰れる場所へと、もっともっと活かされる場所へとしていきたいと思っています。

<素敵ですね。参加したメンバーたちも喜ぶと思います。>

蓮笑庵(でのボランティア活動)が一番過酷だって復興支援センターMIRAIさんから言われました。なのになぜか参加者が多い不思議な場所って(笑)。スティーブンさんもそうですけど、皆さん本当に汚い作業を嫌な顔一つせず手伝ってくださいました。
毎年、参加してくださっている方は変わっていく姿が見られて嬉しいと言ってくれるんです。RockCorpsの皆さまには本当に助けられております。皆さんが実家のような気持ちで戻ってこられる場所になれれば幸いです。

<今後、RockCorpsはどのようにお手伝いできますか?>

最近は周辺の山の整理にも入っていただいています。山の整理は山崩れを防ぎ、川の水もきれいになり、安全になっていきます。
改修作業もあと一息です。ポンプが壊れているので、人力で運んで掃除をしています。来年は水を引く作業をしますので、もうちょっとで一つの形ができます。引き続きお手伝いいただけたら本当にありがたいです。

<福島の復興の現状と未来をどう見ていらっしゃいますか?>

やっとスタートラインからちょっと進みだした気がします。蓮笑庵に逗留して、作業をし、福島を体験される方もいらっしゃるのですが、少しでもイメージが良くなり、地元の果物を安心して買ってくれると大きな復興の力になります。つながってくださった方に応援していただき、他人事ととらえず自分たちの生き方に活かしていただければと思います。
昨年は海外からカリフォルニアの大火災復旧に取り組む方々が三日間滞在され、福島の復興について学びにいらっしゃいました。世界中で色々なことが起きているので、みんなでつながりあうプラットフォームのようになれれば、お世話になったことへのお返しになるかなと思いました。
元々、軍需産業があった長崎や広島が原爆を被りましたが、今は「ヒロシマ」や「ナガサキ」が平和を祈る象徴になったように「フクシマ」と言えば「エネルギーの最先端」や「生き方のモデル」となるようにしていくのが私たちのミッションかと思います。

<RockCorpsのみんなに伝えたいことはありますか?>

音楽が好きな方たちや若いメンバーから年配の方まで参加してくださり、みんな若々しい気持ちで普段やったことのないような作業を一生懸命してくださいました。今まで関わってくださった方も、これから関わろうとしてくださる方も、自分たちの場所だと思って、いつでも気持ちの中ででも、現実でも、帰ってきていただけたらと思います。
これからも皆さんをお迎えできるように、こんな楽しい場所になったんだと言っていただけるようにして参りますので、機会がありましたら、仕事で立ち止まりたいと思った時には、ぜひお泊りにいらしてください。これからもつながっていただけたら本当にうれしいです!

(NPO法人蓮笑庵くらしの学校へぜひお越しください。関心がある方は公式サイトrenshoan.jpのサイトをご覧になってご連絡ください。)

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